貞操義務とは?浮気・不貞と慰謝料の関係をわかりやすく解説

📌 ひとことで言うと

貞操義務とは、夫婦が互いに配偶者以外と性的な関係を持たないという、結婚にともなって生じる義務のことです。この義務に反する行為が、いわゆる「不貞行為」として慰謝料請求の対象になると一般的に考えられています。

「浮気は法律違反なの?」という疑問の中心にあるのが、この貞操義務という考え方です。浮気調査や慰謝料請求を考えるとき、相手に何を求められるのか、どんな証拠が必要なのかを理解する出発点になるのが貞操義務です。配偶者がこの義務に反したと言えるかどうかが、その後の話し合いや手続きの行方を大きく左右するため、まずは基本をおさえておきましょう。

目次

貞操義務とは

貞操義務とは、夫婦がそれぞれ、配偶者以外の異性(または同性)と性的な関係を持たない義務を指します。民法には「貞操義務」という言葉そのものは明記されていませんが、夫婦には同居・協力・扶助の義務(民法752条)があり、その前提として互いに貞操を守るべきとされている、というのが一般的な理解です。

この義務に反する行為は「不貞行為」と呼ばれ、民法770条では離婚を求められる事由の一つとして挙げられています。つまり、貞操義務違反は単なるモラルの問題にとどまらず、離婚や慰謝料といった法的な責任につながる可能性があるとされています。

なお、貞操義務は婚姻関係にある夫婦に課されるのが原則ですが、婚約者同士や事実婚(内縁関係)のカップルにも、状況によっては準じた義務が認められる場合があると一般的に言われています。詳しくは浮気調査の基礎知識もあわせてご確認ください。

貞操義務違反になる行為・ならない行為

貞操義務違反、すなわち不貞行為と認められるかどうかは、行為の内容によって判断が分かれます。一般的には、配偶者以外との「肉体関係(性的関係)があったかどうか」が重要な基準とされています。

行為の例 違反と認められやすいか
配偶者以外との肉体関係 認められやすいとされる
繰り返しの宿泊・お泊まり 状況により認められやすいとされる
頻繁な二人きりのデートや食事 それだけでは判断が分かれやすい
メールやSNSでのやり取りのみ 単独では認められにくいとされる

このように、心が離れた「精神的な浮気」だけでは、法的な意味での貞操義務違反とは認められにくい傾向があります。だからこそ、慰謝料請求などを視野に入れる場合は、肉体関係をうかがわせる客観的な証拠が重要になると言われています。証拠の集め方については証拠に関するカテゴリも参考になります。

貞操義務違反と慰謝料・離婚の関係

配偶者が貞操義務に反したと認められる場合、被害を受けた側は、配偶者本人だけでなく、関係を持った相手(不倫相手)に対しても慰謝料を請求できる可能性があるとされています。これは、貞操義務違反が「夫婦が円満に暮らす権利(婚姻共同生活の平和)」を侵害する不法行為にあたると考えられているためです。

慰謝料の金額は、婚姻期間の長さ、不貞関係の期間や回数、子どもの有無、婚姻関係がどの程度壊れたかなど、さまざまな事情を総合して決まるのが一般的です。一律ではないため、目安や相場については慰謝料カテゴリもあわせてご覧ください。

  • 慰謝料請求の前提として、貞操義務違反(不貞行為)の事実を示す証拠が求められやすい
  • 離婚を選ぶか、婚姻を続けたうえで慰謝料のみ求めるかで進め方が変わるとされる
  • 相手に既婚者だと知らなかった事情がある場合、責任が軽くなることもあると言われる

注意点・よくある誤解

貞操義務をめぐっては、いくつかの誤解が見られます。まず「結婚していなければ何をしても自由」と思われがちですが、婚約中や事実婚でも、状況によっては同様の責任が問われる場合があるとされています。

また、「すでに夫婦関係が破綻していた」と評価される時期以降の交際については、貞操義務違反による責任が認められにくくなるという考え方が一般的です。ただし、破綻していたかどうかの判断は簡単ではなく、当事者の主張だけで決まるものではありません。

さらに、配偶者の浮気を疑って自分で証拠を集めようとする際、相手のスマートフォンを無断で操作するなどの方法は、別の法的トラブルを招くおそれがあると指摘されています。確実で適法な証拠収集を望む場合は、専門家や探偵社への相談を検討するとよいでしょう。最終的な法的判断については、弁護士など専門家への相談をおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q. 精神的な浮気だけでも貞操義務違反になりますか?

A. 肉体関係をともなわない「心の浮気」だけでは、法的な意味での貞操義務違反(不貞行為)とは認められにくい傾向があるとされています。慰謝料などを検討する場合は、肉体関係をうかがわせる客観的な証拠が重要になると一般的に言われています。具体的な見通しは専門家にご相談ください。

Q. 別居中でも貞操義務はありますか?

A. 婚姻関係が続いている以上、別居中でも貞操義務は基本的に残ると考えられています。ただし、夫婦関係がすでに破綻していたと評価される時期以降については、責任が認められにくくなるという考え方もあり、判断は個別の事情によります。

Q. 結婚していない交際相手にも貞操義務はありますか?

A. 法律上の夫婦に課される義務が原則ですが、婚約者同士や事実婚(内縁関係)のカップルには、状況によって準じた義務が認められる場合があると一般的にされています。単なる交際関係では認められにくいとされ、ケースごとの判断が必要です。

✏️ 佐倉 理恵 より

貞操義務という言葉は少し堅く感じるかもしれませんが、つまりは「夫婦としての約束を守ること」を指す考え方です。配偶者の行動に不安を感じている方ほど、感情だけで動く前に、まずは何が義務違反にあたるのかを冷静に知っておくことが大切だと感じています。一人で抱え込まず、必要なときは信頼できる専門家を頼ってください。

← 用語辞典トップへ戻る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

女性向けライフスタイル誌とWebメディアで10年以上、恋愛・夫婦・離婚ジャンルの編集に携わる。自らもパートナーの不貞に悩み、調べ方も相談先もわからず孤立した経験から「浮気調査ナビ」の編集長に。一次情報の検証と読者の心理的安全を最優先し、不安を煽る表現や断定的な決めつけを排除する編集方針を統括する。探偵社・弁護士の取材手配、無料診断プログラムの監修体制づくり、記事のファクトチェックを担当。読者が冷静に次の一歩を選べる情報設計を信条とする。

目次