共同不法行為とは?配偶者と不倫相手の連帯責任を解説

📌 ひとことで言うと

共同不法行為とは、配偶者と不倫相手が共同で行った不貞行為によって発生した損害に対し、両者が連帯して賠償責任を負う法律上の仕組みです。被害者(裏切られた配偶者)はどちらか一方に全額請求することも、両者に按分して請求することも可能とされています。

配偶者の不倫が発覚したとき、「慰謝料は配偶者だけに請求できるの?」「不倫相手にも請求できるの?」と疑問を持つ方は多いかと思います。民法上の共同不法行為という考え方によれば、配偶者と不倫相手の両方が損害賠償責任を負うとされています。本記事では、共同不法行為の意味・要件・請求上の注意点をわかりやすく解説します。なお、個別事案への適用は事情により異なりますので、最終的な判断は弁護士などの専門家にご相談ください。

目次

共同不法行為とは何か

民法第719条は、「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」と定めています。これが共同不法行為のルールです。不貞行為(いわゆる肉体関係を伴う不倫)においては、配偶者(婚姻関係にある側)と不倫相手の双方が、被害者である配偶者の「平和な婚姻共同生活」という権利・利益を共同して侵害したとみなされるのが一般的です。

「連帯して賠償責任を負う」とは、被害者がどちらか一方に損害額の全額を請求できることを意味します。たとえば慰謝料が200万円と算定された場合、配偶者・不倫相手のいずれか一方に200万円の全額を請求することも、それぞれに一部ずつ請求することも、法律上は可能とされています。

共同不法行為が成立するための主な要件

不貞行為に基づく共同不法行為が認められるためには、一般的に以下の要件が揃っていることが求められるとされています。

要件 内容
婚姻関係の存在 被害を受けた側が法律上の婚姻関係にあること
不貞行為の事実 配偶者と第三者との間に肉体関係があったこと
故意または過失 不倫相手が相手の既婚を知っていた、または知ることができた状況にあったこと
損害の発生 精神的苦痛などの実害が生じていること
因果関係 不貞行為と損害との間に因果関係があること

注目すべきは「故意または過失」の要件です。不倫相手が「相手が既婚者だと知らなかった」と主張した場合、その主張が認められると共同不法行為の成立が否定されることがあります。ただし、交際期間が長かった、共通の知人がいた、相手の自宅を訪問していたなど、既婚であることを知り得る状況があったと認定されるケースでは、「過失があった」として責任を問われることもあります。

証拠収集の観点からは、不貞の事実を客観的に証明できる素材が重要です。有効な証拠の集め方や、調査の進め方についても合わせて確認しておくとよいでしょう。

連帯責任と求償権の関係

共同不法行為では、被害者はどちらか一方から全額回収することができますが、一方が全額を支払った場合、その一方はもう一方に対して「負担分を払ってほしい」と求めることができます。これを「求償権」といいます。

たとえば不倫相手が慰謝料200万円を全額支払った場合、不倫相手は配偶者に対して「あなたの分の責任分も私が払ったのだから、その分を返してほしい」と求償できるとされています。求償の割合は当事者間の有責性のバランスによって変わることが多く、不貞行為を主導した側の割合が高くなる傾向があるとされています。

慰謝料の相場や請求額の目安については、慰謝料の相場と請求額の解説記事も参考になります。

請求する際の実務的な注意点

共同不法行為として二人に請求する場合、実務上はいくつかの点に注意が必要です。

  • 証拠の確保が先決:不貞行為の事実を証明する証拠がなければ、請求が認められません。探偵事務所などの専門機関による調査報告書は証拠として活用できることがありますが、違法な調査方法(無断GPS設置・盗聴など)によって収集した証拠は、裁判で証拠能力を否定される可能性があります。合法的な調査手段を選ぶことが重要です。
  • 時効に注意:不法行為による損害賠償請求権は、損害および加害者を知ったときから原則3年で時効になるとされています(民法724条)。不貞の事実を知った時点から早めに動くことが大切です。
  • 二重取りはできない:連帯責任とはいえ、被害者が受け取れる総額は損害額の範囲内です。配偶者と不倫相手の両方から二重に取ることはできません。合計が算定された損害額を超えることはないとされています。
  • 示談書・公正証書の活用:示談で解決する場合も、後々の紛争を防ぐために合意内容を書面化しておくことが重要です。

不倫の証拠集めや調査の依頼先を選ぶ際は、探偵事務所の選び方も参照しながら、信頼できる機関を利用するようにしましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 配偶者と不倫相手、どちらに請求するのが得策ですか?

A. 状況によって異なりますが、一般的には回収可能性(相手の支払い能力)や証拠の有無、今後の関係性(離婚するかどうかなど)を踏まえて判断します。両方に請求することもできますが、合計が損害額を超えた二重取りはできません。どちらに請求するかは弁護士に相談しながら戦略を立てることをおすすめします。

Q. 不倫相手が「既婚と知らなかった」と言い張っています。請求できますか?

A. 不倫相手の「知らなかった」という主張が事実として認められると、共同不法行為が成立しない可能性があります。ただし、交際の経緯や状況によっては「知ることができた(過失がある)」と判断されることもあります。相手がどの程度の情報を持っていたかを示す証拠や事実関係を整理し、弁護士に判断を仰ぐことが重要です。

Q. 慰謝料を不倫相手から全額受け取った後、配偶者にも請求できますか?

A. 不倫相手から損害額の全額を受け取った場合、配偶者への慰謝料請求は原則として認められなくなります(損害が填補されたとみなされるため)。ただし、離婚に伴う財産分与や別途の精神的損害については別途の問題として扱われることもあります。詳細は弁護士にご確認ください。

✏️ 佐倉 理恵 より

共同不法行為の仕組みを知ることで、「配偶者だけでなく不倫相手にも責任を問える」という選択肢が見えてきます。ただし、請求を有利に進めるには不貞行為の証明が何より大切です。感情的にならず、まず証拠を確保することを優先してください。法律的な手続きは複雑なため、早めに弁護士へ相談されることを強くおすすめします。

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この記事を書いた人

女性向けライフスタイル誌とWebメディアで10年以上、恋愛・夫婦・離婚ジャンルの編集に携わる。自らもパートナーの不貞に悩み、調べ方も相談先もわからず孤立した経験から「浮気調査ナビ」の編集長に。一次情報の検証と読者の心理的安全を最優先し、不安を煽る表現や断定的な決めつけを排除する編集方針を統括する。探偵社・弁護士の取材手配、無料診断プログラムの監修体制づくり、記事のファクトチェックを担当。読者が冷静に次の一歩を選べる情報設計を信条とする。

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